紙袋・薬袋について
1.歴史-HISTORY-
東杏印刷株式会社は、 1966(昭和41)年、病院・薬局で使用される「おくすりぶくろ」の製造業者として生まれました。
当時は「活版印刷」の時代。活字倉庫から一文字一文字を拾って活版を組み、これを使って印刷が行われていました。
細かな作業を要する工程を経ていた当初から、納期は2~3週間。熟練のスタッフが正確かつ迅速な作業で、お客様へ良質な薬袋をスピーディーにお届けすることをポリシーとしていました。
そして、1980年(昭和55年)代から、印刷業界では「写植」が主流に。弊社もいち早く写植機を導入し、
コンピューター上で多彩な文字組ができるようになりました。
高度な技術を持つ専門スタッフにより製作される薬袋はより美しさを増し、医療業界からも大きな反響をいただきました。
当時から薬袋の<新しいかたち>を視野に入れていた弊社は、お子様向けのカラーデザイン薬袋の製作にも着手。
やわらかな水彩イラストと、裏面にやさしいショートポエムが入ったカラー薬袋「メルヘン」は、
小児科様を中心に特に人気のデザインとなりました。
1990年(平成2年)代からの大規模なIT革命の流れを受け、弊社も製作機器を順次デジタル化。
2000年(平成12年)には本格的にDTP(デスクトップパブリッシング:パソコンによる製作)へと移行しました。
それまでとは全く異なる知識・技術が必要とされる中、一丸となって社内の技術革新に取り組みました。
また1992年(平成4年)、新潟・燕市に大規模な自社工場を開設。
それまで他社工場に委託していた「製(せい)袋(たい)」(印刷された用紙を袋状に製造する工程)
を燕工場で行うことにより、効率的なワンストップ化を実現しました。
医療業界では業務用プリンターがハイスピードで発達、各薬局内の専用プリンターで個別に薬袋の印刷が可能になりました。
これを受けて弊社でも、2010年(平成22年)からプリンター対応薬袋を開発・販売。
「袋ものは詰まりやすい」という大きな課題を解決すべく、お客様の声から紙質や製袋方法などの改良を重ね、
各種メーカープリンターに対応する好評のオリジナル製品が完成しました。
医療業界・印刷業界の変遷とともに歩んできた弊社。
「写植機」時代からの熟練オペレーター、斬新なデザインを生み出すデザイナー、専門技術に長けた工場員、 迅速・正確に製品をお届けする発送スタッフ、フットワークと細やかな気遣いが自慢の営業 ――人間力豊かな各分野の「プロ」が揃う現在の社内は、伝統と信念を守りながら、新しい時代の流れに呼応するアイディアが飛び交う、明るい活気に溢れています。
2.強み-ADVANTAGE-
ファストフード、ファストファッション…あらゆる業界で「安くて早い」が風潮となっている現代、
印刷業界でも“ファストプリンティング”が当たり前に求められるようになりました。
そんな時代の流れを汲みながらも、「活版」時代からの繊細で正確な<ものづくり>の魂を守り続けていること、それが私たち東杏印刷の何よりの誇りです。
中に入れるお薬によって様々なサイズがある薬袋。拡大・縮小で容易にサイズ変更が可能な中で、
弊社は、見やすさ・使いやすさに配慮し、それぞれのサイズごとに細やかな調整を施しながら紙面構成を行っています。
豊富に選べて発色の良い11色の文字色は、用途に応じた色分けにご活用いただいています。
また、基本仕様で使用される用紙には、自然な色合いと素朴で優しい肌ざわりが持ち味の上質紙を採用。
均一な地合いのため、良質な扱いやすい薬袋となっています。
新規デザインのご依頼では、弊社専属デザイナーが
お客様のご意向やホームページ等のイメージを参照しながら、納得いただけるまで迅速かつ丁寧に製作を行います。
オリジナルキャラクターやロゴマークの作成も承っておりますので、是非ご相談ください。
また、50余年の歴史を経て、業界独自の言葉づかいや表現技法、マナーについても熟知したスタッフが、 表記文の添削等、細部にわたりご提案させていただきます。
ご提案・受注からお届けまでを自社内で行うワンストップ体制のため、
お客様の声が各現場に届きやすいのも強みです。
改善が必要と判断されれば、該当現場でスピーディーな対応ができます。
工場で使用される機器には機上検査装置が設置されており、CCDカメラが機器やスタッフの動きを常時記録。
不備・不良がないか、お客様の声を反映させた適正な改善策がとられているか、日々細やかな検証を行いながら生産を進めております。
各種機器から梱包材料まで、お客様のニーズとともにヴァージョンアップしながら、自社独自の<確かなものづくり>の工程を実現しています。
また弊社は、お客様に安心して個人情報をお預けいただけるよう、「JPPS(日本印刷個人情報保護体制認定制度)」の認証を取得しております。
この認証は「Pマーク」に準ずる内容で、東京都印刷工業組合が「個人情報保護法」に基づき運用する制度です。
法令順守はもちろん、安全な保護・管理システムを構築・実施し、その維持と更なる改善に努めております。
そして、人の健康づくりをお手伝いする企業の使命として、環境への配慮も入念に行っております。
印刷には、健康被害や地球温暖化リスクの低い「植物油インキ」や、公害の原因となる石油系溶剤の含まれない「ノンVOCインキ」を使用。
製造過程で出る排紙など、再生可能な素材は原則的にリサイクルし、電力の省エネ化にも精力的に取り組んでおります。
また、工場スタッフの健康を守るため、溶剤などは人体への害の少ないGP(グリーンプリンティング)認定製品を積極的に採用。 快適・安全に働ける社内環境の整備に努めております。
患者様が医療機関を選ぶ時代――歴史を経て築かれた信頼性から、最新鋭の設備やサービスまで、そのニーズが増々多様化する医療業界の流れと並走しながら、 「最古」も「最新」も知り尽くしたスタッフが幅広い対応力でお客様をサポートしてまいります。
3.未来-FUTURE-
歴史の中で発展を続けてきた東杏印刷の薬袋。現在、そして未来を見据えた新しい商品をご紹介いたします。
親子にやさしい“キッズ・フレンドリー”な病院・薬局づくりのお手伝いを…と精力的に取り組んでいる、お子さま向け薬袋。
人気キャラクターを採用したカラフルで賑やかなデザインや、 <クイズで遊べる><使い終わったら工作できる>といった アイディア溢れる自社オリジナルデザインで、お子様に元気をお届けしております。
またグローバル社会のニーズを受けて、英語を始めとした外国語薬袋も製作。外国人患者様の多い薬局様から好評をいただいております。
そして、「おくすりぶくろ」をパロディ化したアイディア製品も。
ジョークの効いた効能を謳った入浴剤パッケージや、結婚式の引き出物パッケージなどのご依頼を受け、 本物さながらのウイットに富んだ“フェイク薬袋”が活躍しております。
歴史に裏付けられた確かな技術を基盤としながら、既成概念にとらわれず、 次なる時代の「笑顔」を生み出す薬袋・紙袋の可能性を探求し続ける東杏印刷株式会社。 人の命・健康のサポートを担う薬袋・紙袋のあらたな挑戦に、どうぞご期待ください。